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トイレ掃除と女性店員

友人とご飯を食べて,一段落して,トイレへ

閉店間際の店内は,「ホタルの光」が流れそうなまったりとした時間

そして,厨房から聞こえる皿洗いの音

それでも,ギリギリまで居座ろうとしているのは,僕らだけじゃない.

ラストオーダーから数十分経過しているが,客数はそれほど変わっていない.

そんな店内を横断して,トイレへ行く.

トイレを開けると,誰かいる.

店員がいる.

しかも,女性の店員.

しかも,髪の長い若い女性.

「すいません,今すぐ出ます」と言って,キリのいいところまで作業しようとしている.

僕は便器向かう.

「すいません,今出ますので」と声を掛けてくるが,店員はまったく手を止めない.

僕の膀胱と相談すると,『すいません,もう限界ですので』と言うので,

用をたす.

店員は,僕を背にして便器を磨いている.

一応,気を使っているんだろう.

僕の膀胱は,『気にするな』と言っているので,

気にしないことにした.

「すいませんでした」と言って出ていく頃には,

もう8割以上,用事は済んでいる.

店員は気を使ったのか,足早に勢いよくトイレの扉を開けていく.

大きく開いた扉が,一瞬止まり,そしてゆっくりと閉まっていく.

便器に向かったまま,トイレから飛び出していく店員の背中を追う.

そして,その背中越しに,店内の客と目が合う.

便器に向かう僕

テーブルに座って談笑している見知らぬ客

目が合う

気まずい

なにこれ?

どうしてこんなことに?

二重の恥ずかしさ.

やるせない.

『扉が閉まるまで,そのまま』

それしかない.

扉が閉まるまでの時間は,僕にとっても,仕事を終えたはずの僕の膀胱にとっても,永遠に感じられた.

From kyohei

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